日本語

本ガイドラインの要点

<aside>

  1. 法人全体契約AIを使う:Google Gemini、Gemini Notebook、Notion AI、Microsoft 365 Copilot を、keio.jp/業務アカウントでログインして使う。この場合に限り、入力データがAIの学習に使われることはありません。プライベートのアカウントや無料の個人向けAIはデータ保護対象外です。業務情報・個人情報・機密情報は入力しないでください。
  2. 特定個人情報は入力しない。要配慮個人情報は加工してから入力する:マイナンバーを含む特定個人情報は、法人全体契約AIにも入力できません。要配慮個人情報は、特定の個人を識別できないよう、加工(匿名化・マスキング・識別子の置換など)した上で、法人全体契約AIに入力してください。
  3. 個人情報は、収集時に示した利用目的の範囲内で利用する:個人情報は、収集時に示した利用目的の範囲内で利用してください。
  4. 共有範囲を確認する:法人全体契約AIは、利用者本人のアクセス権の範囲内でページやファイルを検索・参照することがあります。AIが新たな権限を持つわけではありませんが、日頃からGoogleドライブ/Notion/OneDriveの共有範囲を適切に管理してください。 </aside>

1. はじめに:リスクを正しく理解しながら、生成AIを積極的に活用する

<aside> 📌

要点:慶應義塾は、データ保護が適用される法人全体契約AIを使える環境を整えています。リスクを正しく理解し、積極的に活用しましょう。

</aside>

生成AIは、学修・研究・業務の効率を高める有用なツールです。義塾では、Google Gemini、Gemini Notebook、Notion AI、Microsoft 365 Copilot など、データ保護が適用される法人全体契約AIを利用できる環境を提供しています。

1-1. 本ガイドの目的

生成AIは、学修・研究・業務の効率を飛躍的に向上させる可能性を秘めています。本ガイドの目的は、生成AI利用時のリスクを正しく理解し、情報セキュリティを確保しながら、その恩恵を最大限に引き出すことにあります。義塾の構成員一人ひとりが内容を遵守し、責任ある利用を行うことが求められます。

なお、授業やレポート・課題等における利用については、本ガイドと合わせて、別途発信されている「慶應義塾におけるChatGPT等生成AIの利用について (2023年5月15日)」を必ず確認し、授業科目担当教員の示す方針のもとで適正に活用してください。

1-2. 対象者

義塾に在籍するすべての学生、大学院生、および教職員(一貫教育校や大学病院を含め、常勤・非常勤を問わず)

※現在、Google Workspace for Educationでは、利用規約および義塾契約下のテナント管理ルールに基づき、年齢制限等が適用されています。


2. 義塾が提供する法人全体契約AIサービス(2026年7月時点)

<aside> 📌

要点:義塾アカウントで使える法人全体契約AIは、Google Gemini、Gemini Notebook、Notion AI、Microsoft 365 Copilot の3系統です。

</aside>

2-1. 対象サービス

2026年7月時点で、義塾の契約下で利用可能な法人全体契約AI(後述の3章 【A】)は以下の通りです。

サービス 概要 特徴・向いている用途 対象者
**Google Gemini
Gemini Notebook** Google Workspace for Education経由 Googleドキュメント等との相性がよく、調査・要約・文章作成に使いやすい。Gemini Notebookは、手元資料をもとにした質問応答や要約が得意。 学生・教職員
Notion AI 慶應義塾ワークスペース内 Notion内のページやデータベースを横断して探す・要約する用途に強い。議事録整理、文書作成、ナレッジ検索に向いている。 教職員
Microsoft 365 Copilot エンタープライズデータ保護(EDP)適用 Word/Excel/PowerPoint/Outlook等と連携し、文書作成、表計算、資料作成、メール整理など日常業務の支援に向いている。 学生・教職員

2-2. Google Gemini、Gemini Notebook

対象者:学生・教職員(年齢制限等が適用される場合があります)

2026年7月時点で、慶應義塾の契約下、Google Workspace for Education で提供される Google Gemini および Gemini Notebook(旧称:NotebookLM)は、標準機能版が試行導入されており、keio.jp アカウント下で利用可能です。Google AI Pro等の一部の有償機能は提供できませんが、学修・研究・業務において安全に利用が可能です。

概要については「Google の AI とはじめよう」が参考になります。詳細な操作方法については、対象に応じて以下をご参照ください。

<aside> ⚠️

Google検索「AIモード」や Google AI Studio は要注意

いずれも慶應義塾の公式なサービス対象外で、データ保護対象ではありません。重要情報は入力せず、有料機能の利用やクレジットカード登録も行わないでください。

</aside>

2-3. Notion AI

対象者:教職員

Notionの慶應義塾ワークスペース内のページやデータベースを検索・要約し、文章作成やアイデア出し等を支援します。ChatGPT, Claude, Geminiなど複数の最新AIモデルにアクセスでき、用途に応じたモデル選択が可能です。

2-4. Microsoft 365 Copilot

対象者:学生・教職員

Microsoft 365と連携し、文章作成・要約・検索・分析等の業務を支援する生成AI機能です。


3. AIサービスの分類:「法人全体契約AI」を利用しましょう

<aside> 📌

要点:重要情報を扱う場合は、まず**法人全体契約AI(Google Gemini、Gemini Notebook、Notion AI、Microsoft 365 Copilot)**を利用してください。個人契約・無料AIには、業務情報・個人情報・機密情報を入力しないでください。

</aside>

生成AIサービスは多岐にわたります。入力前に、義塾アカウントで利用できる法人全体契約AIか入力情報に個人情報・機密情報が含まれるかを確認してください。

| 項目 | 【A】法人全体契約AI Google Gemini、Gemini Notebook、Notion AI、Microsoft 365 Copilot | 【B-1】個別契約AI (データ保護あり) | 【B-2】個別契約AI (データ保護なし) | 【C】ライセンスフリーAI | | --- | --- | --- | --- | --- | | 定義・対象 | 慶應義塾が法人全体契約するサービス(Google Gemini、Gemini Notebook、Notion AI、Microsoft 365 Copilot)。keio.jp・業務アカウント下で利用でき、データ保護あり。 | 個人・部署単位で登録・契約するサービスのうち、オプトアウト設定やデータ処理契約(DPA)等でデータ保護が確認・適用されているもの。 | 同じく個別契約だが、データ保護設定が未確認・未適用のもの。 | アカウント発行や明示的な契約を行わず、規約同意等のみで利用できるサービス。データ保護なし。 | | データ保護 | ◎ デフォルトで保護(外部流出・モデル学習が制限・管理される) | △ 設定により保護あり(利用条項・設定を要確認) | × 保護なし(流出・学習利用の懸念) | × 保護なし(流出・学習利用の懸念が高い) | | 事務・法人運営業務での利用 | ◎ 利用可 | △ 原則控える(【A】を優先) | × 不可 | × 不可 | | 教育(授業)・研究での利用 | ◎ 利用可 | △ 保護を十分確認の上で利用 | × 控える | × 控える | | 重要情報(個人情報・機微情報)の取り扱い | ○ 取扱い・共有範囲に注意して利用可。ただし、特定個人情報は入力不可。要配慮個人情報は、特定の個人を識別できないよう加工した上で入力する。 | × 入力しない | × 入力しない | × 入力しない |

補足


4. 必ず守るルールと、安全に使うための注意点

<aside> 📌

要点:この章では、①法令・学内規程上必ず守るルール、②生成AIを安全に使うために注意すること、③AIが参照できる範囲の前提となる共有範囲の管理を整理します。業務情報・個人情報・機密情報は法人全体契約AIで扱い、法人全体契約AI以外には入力しないでください。個人情報は、収集時に示した利用目的の範囲内で利用してください。特定個人情報は法人全体契約AIにも入力できません。要配慮個人情報は、特定の個人を識別できないよう、加工(匿名化・マスキング・識別子の置換など)した上で入力してください。

</aside>

4-1. 法令・学内規程上、必ず守るルール

以下は、法令、学内規程、契約、授業方針等に関わるため、必ず守る必要があります。

必ず守ること 理由・補足
特定個人情報は入力しない。要配慮個人情報は加工してから入力する マイナンバーを含む特定個人情報は、法人全体契約AIにも入力できません。要配慮個人情報は、特定の個人を識別できないよう、加工(匿名化・マスキング・識別子の置換など)した上で、法人全体契約AIに入力してください。
個人情報は、収集時に示した利用目的の範囲内で利用する 個人情報を利用する際は、収集時に示した利用目的を確認し、その範囲を超えて利用しないでください。
機密情報・守秘義務のある情報は、入力してよい範囲を事前に確認する 義塾内の機密情報(研究結果やノウハウ等)や、第三者から秘密保持義務を課されて開示された情報は、入力してよい内容かを事前に確認する。
授業での利用は担当教員の方針に従う 授業・レポート・課題等で生成AIを利用する場合、シラバスの記載や担当教員の方針に従う。
差別・不正等を助長する利用をしない 差別、誹謗中傷、違法行為、ハラスメント、研究不正等を助長する目的での利用は不可。

4-2. リスクを減らすために注意すること

各項目では、まず注意すべき行動を示し、その理由や補足をあわせて説明します。

注意すること 理由・補足
業務情報・個人情報・機密情報は法人全体契約AIで扱う 業務・教育・研究で業務情報・個人情報・機密情報を扱う場合は、データ保護のある法人全体契約AIを利用する。法人全体契約AI以外(個別契約AI・無料AI等)には入力しない。法人全体契約AIを利用する場合も、個人情報は収集時に示した利用目的の範囲内で利用し、共有範囲・権限を確認する。
出力は必ずファクトチェックする 生成AIは事実に基づかない情報(ハルシネーション)を出すことがあるため、一次情報(元の論文や信頼できる資料)で裏付けを取る。
対外公表物は公開先の方針に沿ってAI利用を開示する 論文・公式文書・対外発表資料に生成AIを使った場合、投稿先・公開先の方針に従い、AI利用の開示が求められる場合は、利用した事実と範囲を成果物の中で示す。
研究・課題では独自性と透明性を確保する 画像・データの編集や要約をそのまま用いると研究不正に該当するおそれがある。再現性と成果への責任は研究者本人が負い、投稿先の学術誌・学会の方針に従い、共同研究では関係者間で利用方針を共有する。
権利侵害がないか確認する AI生成物(テキスト・画像・音声・動画)が既存の著作物・登録商標・登録意匠・実在の人物の肖像等に類似していないか確認する。他人の写真・画像の読み込み・加工・公開は、肖像権その他のプライバシー権を侵害するおそれがある。
個人に関する虚偽情報に注意する 実在の個人に関する記述が出力に含まれる場合は必ず事実確認を行い、誤りや裏付けのない情報・無断利用は公開・利用しない。
外部コンテンツによる誘導に注意する 生成AIは、読み込ませた文書・Webページ・メール本文・添付資料の文言も指示として解釈することがある。不自然な指示やリンク誘導が混ざっていないか確認し、重要な判断や操作は必ず人が行う。
アカウント・端末を守る パスワードレス(生体認証等)を設定して使い回さない、共有端末ではログアウトする、画面ロックとOS・ブラウザ・セキュリティ更新を適用する、紛失・盗難や不審メールの疑いは速やかに所定の窓口へ報告する(参考:情報セキュリティ(慶應義塾情報センター))。

4-3. 共有範囲を適切に管理する

Googleドライブ、Notion、OneDrive 等と連携する法人全体契約AIは、利用者本人に与えられているアクセス権の範囲内で、ページやファイルを検索・要約・参照することがあります。AIが利用者本人にない権限を新たに取得するわけではありません。

そのため、AI利用時のみならず、日頃の情報管理として、ページやファイルの共有範囲が内容に見合っているかを確認することが大切です。重要情報は業務上必要な範囲に共有されているかを確認してください。

確認のポイント

ツール別のポイント


5. 責任の所在:最終的な判断と責任は使う人にある

<aside> ⚖️

</aside>


6. 参考情報


7. ユースケース別AI利用可否早見表

<aside> 📌

</aside>

本表では、「法人全体契約AIを使うべき場面」と「内容に応じて他のAIサービスも利用できる場面」の境界を整理します。記号は、◎=法人全体契約AIの利用が推奨される場面○=利用可△=内容・条件による×=不可を表します。いずれの場合も、利用目的・共有範囲・権限を確認し、出力内容を確認したうえで活用してください。


English